弊社のレンタルオフィスをご希望という方で、社会保険労務士さんが来社されました。その方は、既に社労士として独立されて半年が経過していました。以前は、他の事務所に勤務して職務経験もあり、資格も取得し、晴れての独立になったとのことでした。ところが、独立してテナントを借り、自分の事務所を持ちましたが、来る日も来る日もお客様がこない。独立して半年が経過しても顧客はほとんどいないとのことでした。テナントの家賃は、それまでの貯蓄を切り崩してきましたが、このままでは貯蓄が底をつき、家賃も払えなくなりそうだというのが現状でした。せめて、事務所の費用を抑えるために、テナントよりも安いレンタルオフィスにしたいとのことで、弊社に来社されました。

ここで、その社労士さんにこんな質問をしてみました。
弊社:「今まで勤務していた事務所では、仕事はあったのですか」
社労士さん:「勤務していた事務所では、所長から指示された顧問先を担当していました。今まで社労士として、様々な案件をこなしてきました」
弊社:「ご自分で顧問先を新規開拓したことはありますから」
社労士さん:「以前の事務所では、既存の顧問先が多く、担当の顧問先をこなすので精一杯でした」
弊社:「独立してからは、どうやってお客様を増やしていくつもりでしたか」
社労士さん:「事務所を持てば、自然とお客様は増えてくると思ってました」
弊社:「現在、新規顧客獲得のためにどんな営業活動をしていますか」
社労士さん:「自分の事務所で、電話や来客があるのを待っていますが、電話もかかってこないし、来客もありません」

この社労士さんの事務所には、宇都宮市内の幹線道路に面していて車の交通量は激しい場所にあります。車からその事務所を見ると、駐車場があるかどうかわからないし、看板も小さく見落としてしまいます。以前に別件で訪問したことがありました。事務所内は、外の車の騒音が大きくて話もしにくい感じでした。

引き続き、質問をしてみました。
弊社:「新規の顧客を得るための営業活動として、いろいろと取り組んでみてはいかがですか。例えば、異業種交流会に参加するとか、自分でセミナーを開催するとか、無料相談を受けるとか、ホームページやSNSを活用して、情報発信をするとか。そもそも、貴方が独立したということをまわりの方や地域に伝えないと、事務所そのものの存在を誰も知らないということになります。」
社労士んさん:「人に会うのは好きではありません。ホームページは自分で作ったけれど、ネット上にアップはしていません。自分から売り込むような営業はやりたくありません」

さあ、この社労士さんは今後どうなっていくでしょうか。
独立すれば、お客様は出来てくる、というのは、ほとんどの業種であり得ないと思います。
まずは、あなたが独立したことをあなたの身近な人に伝えましょう。地域の方々にあなたの事務所の存在を知って頂きましょう。その方法は、様々です。
オープンの挨拶状、事務所の看板、友人知人への訪問、異業種交流会への参加、ホームページの開設、SNSの活用、DM発送、良いと思うものはすべてやってみるべきです。もちろん、費用対効果もありますから、どれを優先的にやるかは検討が必要です。
そして、あらゆる職種で共通なのは、人との関わりを大切にするということだと思います。