IT関連企業が新規取引を獲得するための営業活動には、独特のポイントがあります。
以下に「基本の流れ」「実践的手法」「注意点」を整理しました。


【IT関連企業の新規取引営業活動の流れ】

① ターゲット企業の明確化(リード選定)

  • 業種、規模、地域、課題などから狙うべき顧客層を明確に

    • 例:製造業の中小企業向けに「在庫管理のクラウド化」を提案、など。

  • 「誰に・どんな価値を届けるか」を明確にして、的を絞った営業を行うことが重要。


② 顧客リストの作成とリサーチ

  • 業界データベース、SNS、企業HPなどから情報収集。

  • 企業の課題やIT導入状況を事前にリサーチし、「なぜこの企業に提案するのか」の根拠を持つ。


③ アプローチ方法の選択

 テレアポ(電話)

  • シンプルだが敬遠されがち。相手の課題に触れる一言を入れると突破率が上がります。

    • 例:「●●業界でクラウド管理を導入した企業様が、業務効率を30%改善された事例がございます」

メール営業

  • 課題・メリット・実績の3点セットで簡潔に。

  • 「資料請求」「無料相談」など**反応しやすいCTA(行動喚起)**を添える。

Webサイト・LP・資料請求導線からのリード獲得

  • お問い合わせフォームや無料ダウンロードなどから獲得した見込み顧客に**インサイドセールス(内勤営業)**で接触。

展示会・イベント・セミナー参加

  • 対面営業に強い。「課題を持っている相手」が多く、効率的。

  • 名刺交換後のフォローアップのスピードが鍵


④ ヒアリングと提案

  • ただ売り込むのではなく、課題・予算・業務フローをしっかり聞き出す

  • 技術や機能より、「導入後の変化(成果)」を具体的に伝える。

  • カスタマイズ提案ができると信頼されやすい。


⑤ 見積・契約交渉

  • パッケージ料金やサブスクリプションモデルなど、選択肢を持たせる提案が有効。

  • 導入までのスケジュールも明確にして、安心感を与える。


⑥ サポート体制・実績の提示

  • 契約前に「導入後のサポート体制・他社事例」を提示することで安心感を高める。

  • 特にITに不慣れな企業には、運用後の伴走支援を強調すると効果的。


【成功に導く営業の工夫】

工夫 内容
実績の可視化 自社の導入事例・顧客の声・成果データを活用。できれば同業種の事例がベスト。
スモールスタート提案 全社導入でなく、小さな部署や一部機能から始められると導入のハードルが下がります。
無料トライアル・デモ 特にSaaSやWeb系サービスでは有効。使用感を実感してもらうことが信頼につながる。
オンライン商談の整備 ZOOMなどで手軽に提案できる体制は必須。画面共有や資料の準備も抜かりなく。

【注意点】

  • 「ITに詳しくない人」にも伝わる言葉で話す。

  • 導入後の「負担(学習コスト・社内浸透)」への不安を取り除くことが大事。

  • IT業界は「売ったら終わり」ではなく、「売ってからがスタート」という姿勢を大切に。