起業を決意し、創業の第一歩を踏み出した瞬間は、誰もが大きな希望とエネルギーに満ちています。
しかし、そこから実際のビジネスを軌道に乗せるまでには、想像以上の「現実」と向き合う日々が待っています。
思うように売上が伸びない、不安で眠れない、誰にも相談できない——そんな“苦しい時期”をどう乗り越えるかが、起業家として生き残るための最大の課題です。
ここでは、その時期をしっかりと歩き抜くための、実践的なノウハウをご紹介します。
1. 感情に流されない「数字ベース」の現実把握を習慣にする
創業期はとにかく感情が揺れ動きやすくなります。
不安、焦り、プレッシャー……しかし、感情で経営を判断すると判断ミスや空回りを招きます。
だからこそ、日々の「数字」に向き合うことが必要です。
-
毎日の売上、経費、手元資金を“見える化”する
-
月単位・週単位で目標と実績のギャップを記録する
-
キャッシュフロー(資金繰り)を常に意識する
数字を「怖いもの」ではなく「味方」にすることで、自信の根拠が生まれます。
2. 1人で抱え込まず、小さくても“チーム”を持つ
起業は孤独になりがちですが、“完全な一人きり”でやろうとすると精神的にも限界が来ます。
相談できる人、フィードバックをくれる人、励ましてくれる人を持つことが、心の支えになります。
-
同業の仲間、異業種の先輩、メンターを持つ
-
自分の弱点を補ってくれる外注・協力パートナーを探す
-
自分を応援してくれるコミュニティに参加する
「自分ひとりではない」と感じられることが、最大のエネルギー源になります。
3. “完璧”より“継続”を大切にする
創業初期は、成果が出ない日々に「自分はダメだ」と思い込んでしまいがちです。
でも大切なのは「完璧な行動」ではなく「諦めずに続けること」です。
-
毎日、たとえ5分でも行動する(SNS発信、連絡、アイデア整理など)
-
失敗したら「学び」として書き出す(必ず次に活きる)
-
どんなに小さくても、前進したことを自分で認める
止まらなければ、必ず進みます。大切なのは、やめないこと。
4. お金の使い方を見直し、“持ちこたえる設計”をする
創業初期に“頑張っているのに成果が出ない”という状況が続くと、資金繰りがもっとも深刻な悩みになります。
だからこそ、「利益よりまずは生き残る」視点が重要です。
-
固定費を極限まで抑える(不要なサブスク、立地などの見直し)
-
必要な支出にはしっかり投資(販促、学び、信頼づくりなど)
-
売上が安定するまでの生活資金を半年分確保しておく
事業と生活の「安全圏」を確保することで、判断も冷静になります。
5.「なぜ起業したのか?」原点に何度でも立ち返る
苦しい時期は、目的や原点を忘れがちです。「お金のため?」「自由のため?」「誰かの役に立ちたいから?」
どんな理由でもかまいません。自分が起業を決めた“本当の想い”を、紙に書いて、目につくところに貼っておきましょう。
-
自分の原点がブレない人は、長く生き残れる
-
苦しい時期も「これをやりたかった」と思えれば踏ん張れる
-
共感は人を動かし、想いが伝わることで、仕事が生まれる
原点に立ち返るたびに、あなたの情熱はよみがえります。
最後に――「この時期こそが、力になる」
創業初期の苦しい時期は、必ず終わります。
そして、その時期に考えたこと、努力したこと、乗り越えた経験こそが、今後のすべての土台になります。
あとになって振り返ったとき、きっと「この時期が一番大切だった」と思える日が来ます。
どんな状況でも、あなたの中には、まだ使い切れていない力が眠っています。
焦らず、自分を信じて、一歩ずつ、確実に進んでください。
波に乗る日は、必ず訪れます。そして、そのとき、あなたはもう“波に乗れるだけの力”をしっかり持っているはずです。
心から応援しています。どうか、あきらめずに進んでください。